(  市)ルネサンスへ<2015-0515-d 風土、



2:理由。


様々な民族を特徴づける、感覚や情緒、気質、
限界や、指向する方向性、そしてそこから導き出される、
可能性といったもの。そうした、内的な必然性が、
現実世界に反射して映し出される。そしてそれが、
カタチとなったのが、文化の様式であり、自意識であり、
歴史ではないだろうか。自己の精神が生きてきた風土の中に、
それが暗示され示唆されている、そう思えてくるのである。

人間が、現実の世界において、何かをなし得るのはこの限りである。
人間は、自分ができることだけが、現実のものとして実現される。
人間は、自分がもともと、それが出来る可能性があることだけが、
現実として現れてくる。

そして、その実現の可能性とは、その民族に本来そなわっている、
気質や気性、情緒や、感覚や、あるいはまた、
肉体の生理作用の特質とでもいったものである。
だから結局、やはり、その民族が生成されてきた「風土」と、
密接に関係していると、言わざるを得ない。民族の、
可能性や特質の土壌となっているのが、風土そのものなのである。

人間が、そのもとで生まれ形成されてきた、感情や情緒、
気質といったもの。そして、その現実の地平としての、
地理や気候条件、さらに、文化や歴史といったもの。
およそ、そうしたことの根源的な必然性といったものが、
「風土」そのものの中にあるように思えてくるのである。
そしてまた、自己の存在の理由といったものも、そうである。

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