(  市)ルネサンスへ<2015-0605-b、



思い込み。


始めは何かの思い込みに過ぎなかったものが、
やがて妄想や迷信となり、確信へと変わる。
何かに似ているだけのものが、その何かに見えてきて、
確信へと変わる。それが、自分にとって利益になるし、
都合がよいからである。「そうでなければならない」、
「そうであるはずだ」と。思えてくるのである。

しかし、そうしたことは、どの世界にもある。
それが、文明の前提だからである。実は、そうした思い込みこそが、
この社会を動かしている原理なのであって、社会が成り立つための、
条件となっている。こうした、「思い込み」をもとに、
社会の考え方と行動の基本パターン、いわば、標準的人間モデルの、
標準仕様が形成される。社会のルールやマナーもそうである。
それが、つまり、集団的思い込み、ないし、合意というのが、
その社会の常識や社会通念の基礎となっている。
これがまた、公序良俗というものでもある。

問題なのは、こうした「思い込み」に反する、心情とか感情のあり方が、
異質なもの、あってはならないものとして、排除され、さげすまれ、
制裁の標的(ターゲット)にされる点である。たしかに、その通りなのである。
それは、既存のシステムとは合わないものなのである。だからこそ、
排除されるのである。しかしまた、そうした異質なものなくして、
新しいシステムの創造は、成し得ないのである。

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