(  市)ルネサンスへ<2015-0717-b



綺麗(キレイ)な目。


キレイな目。見つめていると、ホント、うっとりするよ。
目のなかに宝石が見える。永遠の輝き。
宝石のような怪(アヤ)しげで、神秘的な光の色。
まるで、海の底のように。はてしなく透明で、
澄んだ色。その中で、何かのシルエットが、
ひらひらと漂っている。これはきっと神々の世界なのだ。

このとき僕は、神々の世界をさ迷っている。
永遠で、限りなく、そして届くことのない世界である。
まばゆい光の中をさ迷い、もう何も見えなくなっている。
目を開けたまま夢の世界を漂っている。

このような、目の美しさというのは、
相手が女だからそう感じるのだろう。
もしも、相手が僕と同じ男だったら、
ただたんに気味がわるいだけである。

それにしても、このような目の輝き、美しさ、
目の中の光の「色」といったものは、
いつでも、どこでも、だれでも、そうなのだろうか?

イヤ、たぶんそれは、
きっと、だれもが持っているものなのだろう。
ただそれが現れる場面といったものが、
非常に限られていて、そして、
それに気づくというのが、ほとんどないのである。
それも、ほんの一瞬だから、なおさらである。

それは、外面ではない。目に見える世界ではない。
外に現れたカタチから、人の心の世界を見ているのである。
それは、精神の世界を表現しているのである。
ちょうど古代の彫刻や絵画から、
その時代を生きた人々の精神をのぞき込むように。

本人にも、
それと気づくことのない、永遠の魂(タマシイ)を見ている。
あるいは、あこがれや、祈りといったものかも知れない。
精神は、そうした、はてしない思い込みと、誤解と、
偏見と、迷信の世界をさ迷い続けている。

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