( 市)ルネサンスへ<2015-0828-a
自然条件、
1:海、または砂漠。 海は、略奪と逃亡に向いている。 どこから、いつ、やってくるかわからないし、 どこへ逃げたのかもわからない。 その痕跡が、海上では残らないのである。 だから、やりたい放題しまくって、逃げてゆく。 第三者が見ていないので、どんなことでもやる。 そして、海には何もないので、ふたたび、常時、 略奪に出てゆくしかない、という状況にある。 それは、生死を賭けた挑戦であり、バクチみたいなもので、 そうした冒険心や勇敢さ、ずる賢さが最も価値あると される世界である。 しかしそれは、遊牧の砂漠でも同じではないか。 2:島、または沿岸。 海上と異なり、陸上での生活に依存する世界。 つまり、農耕では価値観がまったく異なってくる。 システム維持の根幹は、永遠に固定された上下関係であって、 それに基づく価値観・道徳こそがもっとも価値あるものとされる。 だから、海へ出る必要も、また、出てみたいともともおもわない。 海上へ出ようとするのは、むしろ、システムから追い出された 人々である。そうした追放された人々の、精神的・心理的な 心情が、商工業発展の原動力になったように思われる。 そうする以外に生きてゆく方法がなったのである。 仮に、このうような海岸国で、絆(キズナ)ないし上下関係が 固定すると、それは、システムの停止ないし消滅を意味する。 なぜなら、富そのものが、内部から生み出されることがない からである。外部との交流と絶えざる継続的な交易 または略奪によってのみ、生計が成り立つからである。 だから、交易に依存する海岸国では、勃興もはやいが 没落もはやい。 3:肥沃な平野 古代の文明、すなわち、インド、中国、 エジプト、インカなどにおいては、資源が枯渇(砂漠化) しないかぎり、何千年も文明が永続する。 そして、真の変化は何もない。変化がないというのが、 文明の存続の条件となっている。だからまた、 進歩も後退もない。時間が止まった世界、 本当の意味での歴史の存在しない世界である。 |