( 市)ルネサンスへ< 2015-1225 続、「ぼやける」。
1:おぼろげな世界。
「ぼやける」というのは、人間の目のピントが合っていない、 ということである。だから、景色がぼやけて見える。これは、 人間が自分でコントロール可能な、いわば、主観的な映像である。 これに対して、「かすむ」というのは、人間と景色との間になにか、 霞(カスミ)みたいなものが入って来て、景色を見えにくくしているのである。 だから、「かすむ」というのは、自分ではどうにもならない、 外の世界の出来事なのである。 「ぼやける」というのは、自分がコントロールしているが、 「かすむ」というのは、自分以外の、外の世界が支配している。 ボヤケるというのは、景色のなかのものの姿といったものが、 その境界や輪郭線といったものが、うすく消えていって、 ものに始めからあった、様々な色や明暗が、互いに広がって、 浸透しあって融合してゆく。 もの本来の色と形が消えていって、それとは何か別の、 おぼろげな、ぼんやりしていて、もやもやした、 何一つカタチにならない、とらえどころのない世界である。 |