(  市)ルネサンスへ<2016-0205-d



四季の色。


春の色は、白っぽい霞(カス)みのなかから、ほのかに浮かんでくる。
色というのは、つまり、生命の始まりなのであって、つまり、
水と適度の気温が必要なのである。つまり、優(ヤサ)しくおだやかな
湿気と気温のなかから色が生まれる。だから春の色は、
うすく白の混じった、半透明の色なのである。水とは、生命であり、
カスミ(霞み)の色なのである。

夏は、厚かましく、ふてぶてしくて、ずうずうしい、タフな色。
薄い黒の混じった、力強い色だ。

秋は、ひからびて、しおれたような、くすんだ色だ。
空気が乾燥していて、生命から潤いが消えた、乾いた色。
カサカサした色である。そして空気は透明で、薄い灰色混じりの色
である。空気が乾いて透明なので、景色が遠くまでよく見える。

冬の色は、薄い青色混じりの灰色である。
カサカサしていて、閉じたような、中身が干からびて無くなって、
外面だけの、殻(カラ)だけの世界のようにも見える。
乾燥した無機質の世界である。

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