(  市)ルネサンスへ<2016-0311 まぶしい、



~5:光の中。


世界をおおい尽くす白い光のまぶしさは、
目という視覚器官の限界点であり、
それを透過した向こう側に、現実とは異なる別の世界を見ている。
けっして届くことのないあこがれや希望、そして祈りの世界を。

まばゆい光の強さに、目に見える現実世界のなにもかもが、
すべてが吸い込まれていって、そのなかで自己の精神の世界を
見ている。イヤ、それはただの妄想とか幻(マボロシ)なのかも知れない。
しかし、たとえそうだとしても、それは自分の精神がつくりだした幻想
なのである。

自分は自分の都合で生きている。そして自分というものにも、
神聖にして侵すべからざる精神の領域といったものがある。
人格というものであり、自己意識とか人権とも言われている。

自分は他人と区別される、自分のものであって、
自分だけがそれに責任を負うことができる。
自分は他人と区別される独自の、自分にしかない、
自分だけの理由や、必然性や、自律性といったものがある。

現実の世界で、たとえ他人に支配されるされることがあっても、
結局は、こうした内面の、精神の世界において自分が維持され、
保存され、継続している。つまり、自分というのは、
そうした自己同一であり続ける、自立した主体なのである。

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