( 市)ルネサンスへ<2016-0520C
冬の「陽だまり」。
冬に景色が暗く感じられるのは、景色に照らされる太陽光の 全体量が、圧倒的に少ないからである。太陽の光は地表面に 対して斜めにしか入って来ないのである。したがって、地表面が 受ける光は、単位面積に換算すると圧倒的に、極端に少ない のである。 × × 冬は、寒く、冷たく、つらくて、萎縮する。身体と精神も閉じこもって、 身がまえてしまう。ただ、じっとしているだけで、何をしたらよいのかわか らず、また、なにかが出来るはずもなく、世界全体がそうした陰に閉じて、 内にこもって、固まったような感じになってしまう。 気温が低く、太陽の光が弱く短い。そして、乾燥していて、世界全体 が乾いている。これでは、生命が外へ出て行くことが出来ない、 こもるしかない。かといって、こもったところで何かできるはずもない。 だから、心までも何かわずらわしく、ゆううつになってくる。じっとして、 何もせずにいるしかない。何もできないし、また何かをしなければ ならない理由も無いのである。 だから、じっと身がまえて、固まって、何かを待っている。かといって、 そのアテがあるのでもない。アテもなく、理由もなく、ただ待っている のである。そうするしかないのである。でも、このままではよくない。 出て行かなければならない。精神は外へ出なければならない。 でないと、なかにこもったままでいると、腐ってしまう。自分で自分を 押し殺し続けることはできない。いつの間にか、自分が解体して破壊 されてゆく。固まったままで、じっと居つづけることは出来ないのである。 何かを求め、探(さが)し、自分をたしかめ、自分の証明となるものを、 見つけなければならない。だからやはり、外へ出るしかないのである。 「出る」とは、つまり精神がである。精神が自分でそれを見つけなけれ ばならないのである。 戻る。 |