(  市)ルネサンスへ<2016-0617 続、ぼやける。



~2:かすかな予感。

しかし、それは理屈の上ではあり得ない。
どこまでも同じ色が全体を覆い尽くし、それがずっと変わらずにいる
とすると、色として感じられなくなるからである。それは、「色」でなく
なってしまうからである。

色としても、形としても捉(とら)えることの出来ないもの、それは
もはや映像とは言えず、それとは何か別のものになってしまう。
それでも何かを感じることが出来るとすれば、それは視覚とは、
別の感覚になってしまう。

だからそれは、たとえハッキリと見えていなくても、そうした色と
形(かたち)を少なくとも予感させ、暗示し、たとえ微かではあっても、
それへと導き、誘うような何かがその中に示され、感じられるような
「何か」がなければならない。まさにそうした状態、そうした見え方、
感じ方といったものが、「ぼやける」という意味ではないだろうか。

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