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9、無意識の実体。


もちろん、消滅したままで再び歴史上に現れることのない、そうしたケースも多々あったのである。衰退し消滅していった「種」がそうである。これには、文明や民族についても同じことが言えるのである。固有のシステムとしての、自律的な原理といったものが消えていったのである。そこにしかなかった、技(わざ)が途絶え失われたのである。

周りと深くかかわることもなく、それだけで、気づかれることも、返り見られることもなく消えてゆく。現在を生きる私たちにとっては、そうしたシステムや原理といったものが、必要のないもので、関係のないものに思われたからである。

しかし、この失われ忘れられ消えていった、原理やシステムの記憶といったもの。実は、こうしたことが現在を生きる私たちにとっての、潜在的な可能性となっているものの実体なのである。

また、そうしたことが、私たち自身の無意識の世界を作り上げているのである。それは、私たち自身のタマシイの世界なのである。



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