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あるいはまた、春先の薄くピンクがかった桜の花びらの色はどうだろう。それは乳児の淡くふっくらした肌の色である。薄く血色が透けて見えて来て、そして限りなく接近してきて、溶けて融合してゆくような色である。 角がなく、丸くふっくらした柔らかい、触れるだけで溶けてしまいそうな、そんなとても優しく包み込むような肌の色でもある。あるいはまた、風呂上がりの女体の肌の色でもある。薄く肌の中が透けて見えて来て、身体表面から直に身体内部を透かして見えてくる。心地良い身体内部の血色の色が、そのまま表面に現れ出でているのである。 そうして、このような自己の感覚の世界を、桜の薄い花びらや、赤ん坊の肌の色でもって表現し、連想し、あるいはまた、無意識の内にそれへと錯覚してるのである。現実世界の原因や理由から切り離されて、感覚が感覚だけで何かを感じ取っているのである。 |