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9、信じるもの。


そしてこれは社会の秩序のみならず、より根本的には、個人の意識の世界がこのような二重性によって成り立っているのである。これは、自分の中で自分を省みるという自己意識がない以上、仕方のないことなのである。

そしてこれはむしろ、個人的な気質や気性というよりも、このような気質を生み出している、この世界が信じる信仰に根源的な原因がある。すなわち、ひとことで言うと、人権とプライバシーの概念が存在しないのである。

個人の精神が、自己の内部で自律しておらず、自己の自意識というのが集団的な他人との関係、それも権威と権力に結びついた、集団的な上下の関係の中でしか自己を見い出せないという、そうした信仰と宗教にこそ根源的な原因があるのである。

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2019-0516-0519