index< 日誌 <g自己分裂< 24a-75 「精神の分裂」 |
罪の意識は二重に重なっている。一つは、相手に対する意識。外面的である。もう一つは、自分に対する意識。内面的である。言い換えると、他者に対する現実的で表面的な自分と、自分自身に対する観念的で内面的な自分である。 世間に対する見栄だけに生きる自分と、それを恥じる内面的な自分である。このようにして現実を生きる自分と、それを意識する自分とに自意識が分裂している。しかし、自意識というのは、このような自己の分裂に基づいている。自分の中で自分が分裂していなければ、自分を意識するといったことは起こらないのである。 精神の、外面と内面への分裂。このこと自体は、自己の精神が、外の現実世界との間に境界線を持つに至ったということを示している。そしてこれが精神の自由であり、神聖にして犯すべからずの自己の精神の世界であり、人権なのである。 |