index <  日誌 < K夫人:目次 < 18、不可解。



〜3、タイプ。


それに、なによりも彼女は、そういうタイプではなかった。ただのガキ(子供)であった。オトナの女としての魅力(色気)など、カケラどころか痕跡すらなかった。いったいこういう女に惹かれる男など、世の中に一人でもいるのだろうか・・・。  

女性として魅力的な50過ぎのオバサンが、色気などまるでないのに、ただ可愛いのである。欲望や情欲の対象にもなれずに、ただひたすらに可愛いのである。そうした、実に不思議で不可解な世界であり続けたのである。それは現実にあり得ない未知の世界だったのである。しかしまた、だからこそ、僕は惹かれ引かれていったのである。

もしかすると、彼女自身がもともとそうなのかも知れない。大人(オトナ)になれないという意味で。あるいは、それを拒否している、または、彼女の情緒といったものが、もともとそうなのかも知れない。彼女が大人(オトナ)の話をしても、どこかわざとらしく、ぎこちなく、たいてい話の途中で「尻切れトンボ」のように、いつの間にか墜落して消えている。いつもそうだ。

 戻る。                      続く。

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