index < 日誌 < K夫人:目次。< 25、「しるし」
(補足):意識してはならないこと〜A
「愛」というのは、何かを考えたり理屈や理性などではなく、それ以前の「感情」なのである。そしてそれがぼくには欠けている。自分で自分の感情を意識してしまうのである。自分の中で自分が分裂していて、あらそい、いやでも自分を意識し、自分を問い続けてしまうのである。 そしてそうしたことが自分の生き方や存在の理由となっている。自分にはそれしかないと思えてくるのである。それは自分でも仕方のないことだし、それは僕が持って生れた性分や気性なのだと思う。自分でもどうにもならないことなのである。だからまた、彼女に対する僕の「感情」といったものも、救いようのない、はてしない永遠の祈りのように思えてくるのである。 戻る。 続く。 |