〜4 夢の中。
僕は、彼女という象徴に、自分自身のすがたと、自分の心の中を見ていたのである。そして、それが僕のすべてとなったのだ。それなくして僕は存在し得ないのである。それは僕が、僕であろうする願いであり、僕の存在の必然性なのである。僕には、それしか無いのである。自分が自分であろうとする限り、そうする以外にないのである。 これは現実の彼女とは何の関係もないことである。僕がここで言っている「彼女」とは、僕の中で勝手に理想像化された、夢の中の彼女である。現実の職場の彼女とは、まったく別の世界の彼女(K夫人)なのである。そしてまた、それは、僕にとって見れば誰でもよかったのである。 大事なことは、それを求め、願い続けるということだったのである。そして、それとは現実にない、理想と夢の世界だったのである。 戻る。 続く。 |