index < 日誌 < K夫人:目次。< 61、「ヨコ顔」
〜3 永遠。
だからこそ僕は、ワケもわからないまま、それを知ることも出来ず、どうしてよいのかわからず、どうしょうもなく、どうにもならず、何かを求め、願い、祈り続けたのである。そうするしかなく、それ以外になく、そしてただそれだけが目的のようになってしまったのである。 そうやって自分から進んで求め、探し続け、限りなく果てしない、届かないものを願い続けたのである。求め、願い、そして惹(ひ)かれ、吸い込まれて行く。自分がもはや戻れないところへと引き込まれて行く。そしてそれは自分がのぞんだことなのだ。そうするしかなかったのだ。 僕は、現実のその向こう側に夢を見ていたのだ。現実にはない、自分だけの真実の世界を見たと思ったのである。それが、彼女のヨコ顔だったのである。少し乱れて垂れた、髪の奥に垣間(かいま)見る、彼女の素顔だったのである。現実と非現実の間で、僕は夢と幻の世界を垣間見ていたのである。だから、まぶしくもあり、そしてまた、僕にはどうにもならない、永遠の世界でもあったのである。 戻る。 続く。 |