「自意識」
〜8、リズム。
それは、自然な心のありさま、気持ちや気分、自然な心の移り変わり、心情や情緒の自然なありさまといったもので、自分ではどうにもならないものなのである。僕の身体(からだ)、僕の血液や筋肉、内臓や骨格、それに、目や、耳や、触覚。そしてそれらを統合する神経や生理作用のリズムとその「型」なのである。 要するに、僕の身体の仕組みとリズムが、そして僕自身というのが、もともとそのように出来ている、ということなのである。それはまさしく僕自身であって、僕のものであるが、自分自身ではどうにもならないものなのである。逆らうことも、抵抗することも、逃げることもできない僕自身そのもの、あるいは、僕とはまさにこのことだからである。それは宿命とかサダメ、持って生れでた先天的な運命とでもいうべきものである。 持って生まれた自分の肉体というものを、自分でどうにかできないのである。また、どうにかしてもならないのである。それは、もともとそのようなものとしてこの現実の世界に生まれ出たものなのであって、それこそがまさしく「自分」というものだからである。この肉体から離れたところに自分というのは存在しないのである。 それは、自分自身の現実のカタチなのである。現実の世界に現れ出た、自分自身の魂(たましい)のすがたなのである。自分というのがこれしかなく、これだけが自分自身の現実の肉体なのである。これだけが自分のタマシイが宿ることができる場所なのである。僕というのはそれしかなく、それ以外にあり得ず、そしてまた、それだけが僕自身なのである。 そうやって僕は、自分自身を意識することが出来るし、自分を感じることも、自分をたしかめ、見ることもできる。自分の心の中が見えてくるし、おぼろげながらも自分の理由といったものがわかってくるのである。 |