「異人種」

〜1、違和感。


現実に強い異和感をいだき、ズレて、ヌケ落ちている存在。それが自分であり、自分でもそれがよくわかり、周りからもそのように扱われる。どこか違う。姿とカタチは同じだけれども中身は全然違う別のもので、この現実と相容れない。互いに合わない別世界の住人だということである。

それが自分でも強く意識されるし、まわりの人間も、特に教師や、上司や、警察はそのように見ているし、気づいてもいるし、そしてまた、始めから最後まで同情、または疑いの目で見ている。警察だって人間である。効率と、思い込みと、偏見で生きている。

こいつはみんなと違うことを考えている、しかも、何を考えているのがわからない。こいつはきっと悪い人間で、何か悪いことを考えているに違いないのである。だから特別に注意もするし信じてはならず、ことあるごとに始めから無条件に悪者扱い、犯罪者のように扱うのである。

             つづく。