「情緒」
〜5、仲間。
だれもかも、みんながご都合主義で寄って集って迎合して、「なかよし」になって生きている仲間である。そうやって生きて行くことが出来る社会である。口利(くちき)きとコネだけで生きている。それで生きて行ける、そうやって生きて行くしかない、他の生き方が許されないし、他の生き方を知らない、そうした社会である。そうしてのみ、社会から認められ、就職も就学も得ることができ、老後の保証もあるのである。 教育の機会均等だって? 職業選択の自由だって? そんなもの、日本のどこにもあるものか。公民館に貼られているポスターと同じで、体裁だけで言っている全国一律のコピーされた用語を並べているだけだ。もともと何も知らず、知ろうともせず、知ってもならない、どうでもよい、見てくれだけの世界なのである。 自分自身というのが、どこにも存在しない、自分の考えというのがなくて、自分で自分を省(かえり)みないというのが、正しい常識と見なされる世界である。すべては誰か偉い人が決めてくれるし、教えてくれなければならないし、そうした、自分で何一つ考えてはならない世界を生きている。そうである限り、自分が自分を見つけることはない。私たちは、そうした幻想と迷信の世界を生きている。 |