「必然性」
〜2、舞台。
それは何かと言えば、自分と自分以外のものを区別する境界面であり、同質と異質の境い目、限界線なのである。そして、それはまた同時に、同質と異質の交錯し交流する場所でもあり、自己と他者、そして別世界や異次元の世界が現れ出る場所なのである。自分にとっての未知の世界というのが意識される場所ないし瞬間、それが映し出される情景、そしてそれが演じられる舞台なのである。 「演じられる」というと、なにか作り事のように聞こえるが、まったくその通りで、未知の世界とか、見知らぬものが見えてくるというのは、自分が心のどこかでそれを望(のぞ)んだからである。そうした気持ちがなければ、それは見えてこないのである。 それはハッキリしたカタチではなくて、ただたんにそれを暗示し予感するだけの象徴や印象、そして偶然のなり行きとして見えたり感じたりするに過ぎないからである。そこから何かを予感し予測し何らかの規則や繋(つな)がりの必然性や合理性といったものを見つけ出すのは、自分自身の感じ方にかかっているからである。 |