「必然性」
〜5、カタチ。
それは、そこに生きる人間の、肉体の生理の機能や役割、そしてその感じ方や生き方として表現され、様式やパターンとして現実の中にそのすがたを現わしてくる。精神の作用の反発や抑揚、そしてそのリズム。情熱や、あこがれや、恐れといったもの。戸惑いや驚愕、叫びといったもの。それらが目に見えるカタチとなって、現実におどり出てくるのである。 そして、それらを支配し規制しているのが、この風土が作り出した人間の情緒や心の持ち方といったものなのである。それは空想でも神様が与えてくれたものでもない。風土という自然のなかにあって、その中から押し出され浮かんできて、そしてカタチとなったものなのである。 風土という自然環境が人間と交流し合い、交錯し、織り合わされて、それがパターン化し、リズムとなり、様式となって定着し、固まって境界線を持つに至り、一つのカタチとして形成されたのである。そして、一つの文化の型として成立したのである。 |