「自律」
〜1、境界。
感覚の外にあるもの、「外」とは中ではないということだ。では、その境い目、境界面にあるのはいったい何なのだろう? それが感覚なのであて、人間と外の世界をつなぐ端末、言わば、タブレットのようなものだ。 でもそれは、理屈の上で考えるとそうなのであって、実際には必ずしもこのようにハッキリしたものではない。ぼやけて、ぼんやり、混沌としていて、入り乱れて、いったいどこからどこまでがそうなのか、必ずしもハッキリしないのである。 そしてこの境界というのが、いつも揺らめき、うつろいで、変化しながら現れては消えてゆくのである。だから、いったいどこからどこまでが自分なのか、必ずしもハッキリしないのである。 物理的というか、肉体の目に見える部分は、たしかにハッキリしていて確かめることもできる。しかし、目に見えるものが実際に、本当にそうなのかどうかというのは、また別の問題なのである。 |