「異人種」
〜3、自殺。
戦時中の、「大日本帝国万歳!」とか「天皇陛下万歳!」といって自爆(特攻)・集団自殺を繰り返したのもそうである。そしてそれすらも「玉砕」などと言って美化せずにいられない、そうした心情の持ち主。人権はもちろん、それ以前の個人や自意識の概念のない世界である。 誰もが「みな同じ」であるという世界の中でしか自分を見いだせない世界なのである。自己意識・自己認識の存在しない世界である。アイデンティティーという、自己と他者の区別が存在しない世界である。 儒教的集団意識=上下関係の中でしか自分を見い出せない世界である。個人というのが存在せず、集団という囲いの中から出ることのない世界。そこから出て個人として生きるというのを何よりも恐れる世界である。また、個人として生きることが許されず、それが不可能なシステムの世界でもある。だからまた、無理心中・一家心中・集団自殺(玉砕)などといったものが、日本文化の、他に見られない際立つ特徴として根強く残り続けているのである。 |