「さまよう感覚」
〜2、無意識。
感覚が、感覚の閉じた世界の中でなにかを感じていて、そしてそれが無限に広がり、はてしなく繰り返されてゆくのである。それは自意識以前の、意識などとは無縁の感覚の感じ方だけの世界である。意識でも、現実の世界でもなく、それらとは切断されたところで、感覚が感覚だけで遊びを繰り返しているのである。意識も現実もそんなものはもはやどうでもよく、それらとは無関係な感覚だけの囲いの中の世界なのである。すべてが感覚のなかだけで終始し完結している、「感覚」という囲いの中の出来事なのである。無意識の夢の世界のようなものである。 それは現実とその意識の世界から解放された、それらとは無関係な別世界での出来事である。それは感覚だけの、現実の存在を必要としない感覚の「感じ方」だけの世界なのである。感覚が、外の現実を無視した感覚が、感覚だけではそれが何かを知ることが出来ないにもかかわらず、感覚が「感覚」だけで何かを感じて、そして作りだしている。 得体の知れない、知りようもないのに、正体不明のなにかを感じ続けている。そうした閉じた感覚の盲目的な感じ方だけの世界なのである。そうした、感覚が何かを感じ続けているという、ただそれだけが無限に繰り返されはてしなく拡がっていって、そしてその中で完結している。そうやって、ワケも理由もなく、前後の見境いも筋道もなく、支離滅裂な遊びを永遠にくりかえし続けているのである。 |