「女の象徴」

〜3、リズム。


さて、求める象徴とは記号であり、連想とはその符号である。それはつまり、パズルのようなもので、連想する数値の連(つら)なりであって、その中にある特殊な規則やリズム、調和や秩序の世界を見ているのである。永遠で、とらえどころのない、はてしない夢の世界を見ているのである。これが女を見ている者にとっての象徴であり印象なのである。そうしたリズムやバランスが限りなく美しく感じられてきて、そしてそれに憧(あこが)れてしまうのである。

こうしたリズムやバランスを抽象化し記号化しているのが、連続する数値のつらなりであって、これを目に見えるカタチで、イメージや音色(ねいろ)のリズムとして表現したのが、カタチのバランスなのである。芸術でいうところの、音楽や彫刻、絵画がそうである。舞踏もまたそうである。人間の中にある永遠のリズムとバランス、魂(たましい)の旋律を目に見える現実の歌と踊りで表現しているのである。あるいは、見えるすがたを透かして、その中で生き続ける呼吸や血流、心臓の鼓動のリズムや旋律の世界を垣間見ているのである。そしてそうした自分を知り、気づき、そして触れている。

そうやって自分の中にある無限の世界を、そこに見ているのである。何かの自律した必然性や祈りのようなものとして。永遠の真理のようなものをそこに見ているのである。肉体の外面性を透(す)かし通り越して、そこに印象される精神の無限の世界を見ているのである。もの言わぬ精神の鼓動のリズムを見ているのである。

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