「女の象徴」

〜2、仕組み。


現実に無いもの、届かないもの、そして限りなく純粋で永遠のものがそこにあるように思えてくる。現実のどこを探しても無いものがそこにある。そこにしかなく、そこだけにあるように思えて来る。僕自身がそれを求めてもいるし、祈り、願ってもいるのである。しかしそれが実際にあるのかどうかというのは誰にもわからない。なぜならそれは、それを見る側の独りよがりな思い込みに過ぎないからである。僕の孤独な妄想の世界が作り出した、執着や偏見、思い込みに過ぎないからである。

たしかに、そこにしかないもののように思えてくる。実際そうではないか? 世の中には女と男しかいないのである。男にない世界が女の中にあって、女にしかないものが男にはもともと無いのである。それは、そうやってしか補い合えないように出来ているのである。もともとそのようにこの世界に生まれてきたのである。この世に生まれる前から、そのようにセットされプログラムされて生まれて来たのである。

それは、自分が生まれる前からすでに出来ていたものではなくて、自分が生まれたこの現実の世界で、自分で作ってゆくしかないように出来ていたのである。そうするしかないように。また、そうしてのみ現実を生きて行くことが出来るように。そのように仕組まれていたのである。

もどる。             つづく。