17目次へ < 「春の情景」
〜1、あふれる。
遠くの山々や、近くに見える野原や川辺、
それに、道行く人々の服装、
そして、歩き方や顔の表情にも、
それがよく表れている。穏(おだ)やかなのである。
優しげで、たのしく、軽やかである。
いま、いだいているこの感じ、情緒といったものを、
大切にいだいて、それを壊されないように
デリケートになっている。そしてそれを、よろこび、
たのしみながらも大切にしまい込んでいる。でもやはり、
うれしさというのがカラダ全体からあふれている。
服装にしたって、軽やかで伸びのびしていて、
それでいて、やわらかく優しげな感じである。
ケバケバ、トゲトゲしたのを好まないのである。
だれもが春の陽ざしと空気を願い求めて、
カラダいっぱいで吸い込もうとしている。
続く。
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