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〜11、象徴。



どこにでもあるような、現実の世界の情景が、
また、その印象が、何かを予感させ暗示するような、
象徴のように思えてくるのである。
まるで、何かの符号や記号のように。
気づかぬまま、知らずしらずのうちに、
その中へ引き込まれて、吸い込まれてゆく。
言い知れぬ、とらえどころのない何かの象徴として。

それがはたして何なのか、と問われても
うまく答えられない。自分でもよくわからないのである。
本能とか無意識の「衝動」とでもいったものである。
いまだハッキリとイメージ出来ないままの、
「直感」を超えることがないのである。
論理的整合性や、思考とか意識を無視した、
何かわけのわからない、それでいて、
そうとしか言いようのないような、
「第六感」とでもいったものなのである。

だれかが、何かが僕をいざない、
そして自分みずからも、それを欲し、求め、
指向している。そうしたことが自分の感覚の、
境界線の外から、境界線の中へと侵入して
来るのである。僕自身の中へ何かが入って来て、
そしてそれ以前に、僕もそれをのぞみ、
願い、まねいていたのである。
僕自身も、それを必要としていたのである。

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