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〜12、領域。



それは、自分自身の感覚の感じ方なのであるが、
それが何なのか、自分でもわからないのである。
もともと、あらかじめ想定され、定められ、
仕組まれたプログラムに反して、それに逆らって、
無視して、直接、僕の精神に問いかけてくるのである。
入り込んで来て、圧迫し、いたたまれなくなって、
言い知れない情感となって、自分の存在の「理由」を
問うのである。

自分が誰かわからなくなるのである。
もしかすると、これが自分の正体なのである。
自分で自分を問い始めている。
自分で自分を見つめている。このような自分とは、
正真正銘の自分のことではないだろうか。
自分の精神というのが、めざめて、自立して、
外の現実とのあいだに、境界線を持つに至ったのである。
自己の精神の、領域を自覚するに至ったのである。

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