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〜2、実体。
歴史や郷土の自然環境の中で営まれる、
様々な民族の暮らしや生活の様式といったもの。
それは、個性であり、存在の必然性であり、
特徴でもある。それは他の地域では見られない
独自の特有の秩序で成り立っている。
そしてそれは、以前との異なる動機と理由、
そして原理で生活の様式(ライフサイクル)が成り
立っている。それが現在であり、今ある自分は、
それ以前の、現在とは別の状態から生成されてきた
ものなのである。
もはや、以前の状態に戻ることは出来ない。
すでに現実は変わり、以前とは異なる世界で
生きているのである。習慣やシキタリ、
オキテや常識といったもの、そしてそれらをつつんでいた、
情緒といったものまでが変わってしまった。
それまでとは異なる現実と精神を生きている。
精神と情緒が解体している以上、それは何か別のもの、
別の実体になるしかないのである。
そうする以外に自分をたしかめ、自分というものを、
現実のなかで成り立たせるものがないのである。自分には、
それまでとは別の理由と拠り所が必要なのである。
自分を維持し、保存し、そして継続して
ゆかなければならないのである。
戻る。 続く。
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