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 目次。< 「みずいろ-A」



〜4、暗示。

それはまた、水の色ともリンクする。沈んで閉じたような海の底のような色でもあるし、あるいは氷の色がそうである。山奥の冬景色の空気の色もそうである。はてしなく透明で、透き通るような、そして限りなく純粋な色である。だから永遠なのであって、さめた、冷ややかな、理知的な色なのである。 感情的でも情緒的でもなく、何かを指向していて、そしてそれを求めて自分を律しているような、そんな理知的な色なのである。

あるいは、何か本能的な衝動みたいなものがあって、それが呼び起こされ、目覚めることをひそかに待ち続けているようにも見える。沈んだ海の底から浮かび上がってくる、あるいは、遠くの空のかなたから舞い降りてくる。そしてそれが、見えもするし。聞こえてもくるように思えてくるのである。どこかしら、そうした気配みたいなものを感じてしまうのである。

そうした何かを呼び起こし、問いかけ、ささやきかけてくるような、そんな色である。それと意識されないまま導かれ、さそわれ、吸い込まれてゆくような、そんな「色」である。それは自分ではどうにもならず、もともと自分の中にあった何かが、それへと誘われ、めざめ、反応しているのである。初めからそのようにセットされていたかのように。

 戻る。                      続く。