< 2017目次 < 続:「見えないもの」
〜2、「現れ方」
異界。それは様々な現れ方をする。 しかし、いづれの場合も、「情緒」の変異を通して現れている。 1、: 感覚の境界線上。 肉体の制限と、それが持つ指向性。 2、: 境界線を越えた、あちら側。 未知との遭遇。 3、: 観念の世界。 自分が変わった場合。自分が他人のように思えてくる。 1、肉体の「記憶」 感覚の境界線上、感覚と非感覚のボヤけて、あいまいな中間地帯。言い変えると、肉体の記憶。ないし、それが指向性として表現される場合。情緒的なものである。情緒に変異があった場合である。 2、さ迷う「異人種」。 自分の外にある、未知なるものと遭遇した場合。とまどい、おどろき、ためらい、迷う。未知なるものの意味と理由といったものが、つかめずにいる。そうした心の迷いが、混乱した場違いな印象として表現される。自分でもわからないものを表現できずに、錯乱しているのである。 3、精神の「変異」。 現実は何も変わらないのに、自分の中で何かが変わってしまった場合。この場合、見るもの聞くもの触れるものすべてが、以前とは全く別の意味と理由を持つものとして見えてくる。すべてが新しく、鮮やかで、まるで以前とは別のもののように、見えてくる。現実は何も変わらないのに、自分の精神の見方(みかた)が変わってしまった場合。 |