「霧(キリ)」
〜1、理由。
モヤとカスミは、シロ色であるが、霧(キリ)はたいてい灰色が 混じっている。キリが出るのが、たいてい夜明けか夕暮れ後 だからである。夜だとキリは暗い闇の中に立ち込めて、 そして消えてゆく。朝だと、夜明け前の灰色から徐々に シロっぽくなって、朝の9時頃までには完全にキリが晴れる。 キリとかカスミの多い日は、たいてい快晴である。 これはキリの発生する原因と関係があって、 夜の放射冷却によって大気が冷やされ、 相対的に暖かい地表面から水分が、 水蒸気となって大気中に浮き上がって来るのである。 朝の太陽の直射日光がまた地表面を温めて 霧やカスミを発生しやすくしている。 大気の冷たさが、地表面の暖かい水分を上空へと 誘い出しているのである。この気温の差が比重の違いを 生み出して、相対的に軽くなった水分を蒸発させて、 さらに上へと押し上げているのである。 |