「夢の中」
〜4、内面。
そしてこのとき世界は、僕が生きている現実は、 白(しろ)く、そして明るい。太陽の光はすべての角度から 僕のすべてを優しく包んで映し出している。シロいキリが 光を乱反射し広げて、交錯しながら散らしているのである。 やがて、しばらくすると気温が上がり、霧(キリ)が晴れて明るくなる。 自分の外の現実の世界が見えてくる。まずは形として。 そして、様々な色として、模様として。 形は輪郭であって、色の濃淡、明るさの強弱の境界線として 見えてくる。そして色の様々な違いは、形の中にある個性が その表面に現れたものである。だから、色は個性なのであって、 線で表現される明暗の境界線は、世界の形、輪郭なのである。 それは自分にとって見れば、開かれた、晴れた現実なのである。 内面の、閉じこもっていた世界から、昇って行って、開いてみせた、 自己の内面の世界なのである。 |