「自由」
〜4、信じるもの。
見知らぬ他人のことなのに、その他人が何を感じているのか、すぐにわかってしまう。いつでも、どこでも、どんなときでも、知りたくも、気づきたくもないのに、わかってしまうのである。自分と同じものを他人の心の中に見てしまうのである。 もちろん、考えや理屈としてそうなのではなく、それ以前の感覚や感じ方、「空気」や雰囲気としてそうなのである。そしてそれが自分の居場所であり、心の拠り所ともなっているのである。自分が完全にみんなと一体化しているという安心感であり、連帯性であり、自他の境界のない、心の共有化された世界である。 自分は周(まわ)りのみんなと同じ世界を生きている一員なのであると「信じる」ことが出来るのである。そしてまた、それが何よりも大事なことなのであって、自分の拠り所・居場所・「信じるもの」のすべてとなっているのである。それが正しかろうと、偽りであろうと、デマでも、デッチ上げでも、そんなことはどうでもよいことなのである。ただ自分がみんなと一緒にいて、そしてそれを「信じている」ということだけが大事なのであって、それがすべてなのである。 |