「風土」


〜14、型。


しかし、はたしてそうなのだろうか? それがすべてなのだろうか?
もちろん、けっしてそうではない。むしろ、そうではなかったはずで、だからこそ、今日現在、このような文化の「型」を示しているのである。

文化というのが、何かの型やパターンとして姿を現し、定着しているということは、そうではなかった時代があったはずで、そうした今ある文化とは異なる文化とのあつれきや対立・反発として、現在ある文化の型が定着して来たと考えられるからである。

そこにはまだ、型が定まる以前の、様々ないろんな型やパターンが混在していて、なんら定まることのない、捉(とら)えどころのない姿となって、変化をくり返していたはずで、そうした様々な変化に満ちた異質なもの同士のせめぎ合いと対立のなかから、周りの自然環境や条件に最もかなった様式だけが残り、さらにまた、民族自身の内なる必然の要請と指向性から、それが求めるパターンといったものが残って行き、反復継続され、繰り返され、固有のものとして定着していったのである。

もどる。              つづく。