「風土」


〜7、心の世界。


空気が明るく、軽く、晴れたように感じられるのはこのためである。あるいは反対に暗く、息苦しく、重く感じられるのもこのためである。ストレスや強いあこがれといったものが、心臓や血流、そして呼吸や生理作用に強い圧迫となって、それが息苦しさや衝撃として感じられて来るのである。

これは自分の肉体に対する衝撃ではあるが、その原因となったのは、外からの心理的なストレスである。それが自分自身の感覚の感じ方として現れているのである。自分自身の心臓の鼓動の音色や、体内を流れる血液のざわめき、そしてまた、呼吸する息の自分自身のリズムがそうである。どこか別人のようでもある。めざめようとしているのである。

現実の外にあったものが、現実の中に入って来ようとしている。外にあった現実が自分の肉体の中に入って来ているのである。そして肉体の中で生理や情緒のリズムとなって、精神に働きかけているのである。心理的な心の世界に呼び込まれて映し出されているのである。

もどる。              つづく。