「変わらないもの」
〜3、ハズレ。
ユーラシア大陸のハズレの奥の、そのまた奥の行き止まり。そして、そこから海を渡ったところに日本列島がある。つまり、大陸の中心から日本を見ると、どうでもよい、むしろ、かかわりたくない国でしかなかったのである。なんのメリットもなく、それどころか、日本が実力のある国だということ自体が、災いのタネを持ち込むことになるからである。 だから、19世紀に至るまで日本を侵略したのは13世紀の元寇の役ぐらいである。たいてい朝鮮半島までに侵攻を留めて帰っている。海の存在が異民族の大規模な軍事侵攻を不可能にしてきたのである。複雑な地形と密集した人々、そして人口そのもの。人間の数自体が多いのである。 しかし、もっとも根本的で重大な障害となったのは、地理的・物理的要因というよりも、むしろ、そこに住む人々の文化的・歴史的な特殊性こそが重大で決定的な障害となっているのである。あまりに異質なのである。異質であるがゆえに、世界に対して一致団結もするし、群れようともするし、集団的なのである。 |