「別の意味」
〜1、めざめ。
再生され復活し、そしてめざめる。それでは、目覚(めざ)めの前の自分は、いったい何だったのだろう? はたして、めざめの後の自分とは違うものだったのだろうか? たしかにそれは、めざめの前も後も同じ自分なのである。でも、どこか違う。それはいつも同じことのくり返しのように思えてくるのであるが、やはり、どこか違う。 つまり、初期化されたのである。身に着けていたもの、姿とか形とか、そうした目に見えるものを、いったんすべて捨てて、もう一度、ゼロの状態からやり始めたのである。もう一度、始めから自分を見つめなおし、新たにゼロから自分を作り始めたのである。 めざめの前の、それよりずっと前から、はたしていつからそうなのか自分でも知りようがない、ずっとずっと前から、もしかすると自分自身というのが、もともとそうなのかも知れない。それが何かのキッカケで思い出され、よみがえり、めざめたのである。 自分の中にもとからあった、何か得体の知れない正体不明の何かがあって、それが外からの何らかのキッカケで映し出され、そしてそれに気づいて、何らかの現実のすがたとなって現れているのである。明確な輪郭と形(カタチ)、そして他のものとハッキリと区別される境界と表面を持った、現実のものとして映し出されているのである。 |