「2:古代ギリシャ」


〜6、はきだめ(掃溜め)。


なぜ、このようなことが起きるのか? 移民の世界、寄せ集めと、混合と、はきだめの世界だからである。すべてが不安定なのである。すべてがいつも変化し、こうした変化そのものが秩序となっている。

変化の必然性と、それが導くところの絶えざる没落と繁栄が、その原理である。そうやって、内的必然の原理と精神の普遍性がたしかめられ意識されたのである。

それが自覚されつくすのは、没落であり、と同時に新たな原理の要請であり、可能性であり、条件の成熟を意味している。死は同時に自分自身の完全な自覚であり、自己否定である。古い自分が死ぬのである。それはゼロからの出発、つまり、新たな原理の登場を求めているのである。

戻る。              つづく。