「2:古代ギリシャ」


〜5、相性。


要するに、偶然の重なりといったものが、人間にとってたまたま有利に働いたということなのである。そしてまた、たまたま、それらの相性(あいしょう)がよかったのである。

人間には様々な側面、潜在的な制限や可能性のようなものがあって、それが現実の世界へ現れる動機や条件やキッカケといったものが、たまたま、たとえ偶然ににしろ合わなければならないのである。要するに、そうした相性といったものが偶然に一致した、ということなのである。

しかしまた、人間そのものの資質というのがある程度のレベルに達していないと、こういうことは起こらない。生存のシステムが閉鎖的で固定した牧畜・農耕から、商工業・海運(=海賊)へと移行して行く。生きて行く財産も方法も手段も、何もなければ人間は自由に生きて行くしかないのである。すべてを自分だけのリスクで、自分を生きて行くしかなかったのである。

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