ヨーロッパのの起源(古代ギリシャ) p13
「自由」
つまり、そうした自然とかかわる人間の精神の必然性、
自然とのかかわり方の必然性といったものが、
ギリシャ人をして、自由な「個人」へと向かわせたのである。
これは必然であり、ごく自然の、なりゆきといったものである。
とすれば、だからこそ、それは意識されることも、
自覚されることもなかったのである。
個人と共同体の精神といったものが、
分離されないまま、結合しているのである。
さらにそれは、個人の自由から出発している。
なぜなら、ここでは個人の自由というのが、
自然との自由なかかわりの中から、
形成され続けているからである。
自然との自由なかかわりとは、
ギリシャの地形や気候風土であり、
それ以前とは断絶したところにある、
精神の新しいあり方である。
それは、それは以前と区別される新たな
自己の同一性と、その連続性であり、
そしてその原理であり、自律したリズムである。
戻る。 続く。
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