index < 日誌 < 2018 < 10-「宿命」


 
1、暖色。



空気の暖色(赤・黄色系統)の迫る印象。写真などで、見た目にもそうだが、実際の肌に触れる感触もそうだ。むしあつい。湿気が多く、熱気と湿気が肌にまとわりつき、まったくやりきれなくさせる。

そうした、抵抗しがたい不可抗力みたいなものが、暖色の空気にはある。これは日本の気候とも関係がある。それは日本列島の蒸し暑い「夏の色」である。世界と自分の間に、なにかが入り込んで来て、せきたてている感じで、じっとさせてくれないのである。

寒色は、暖色とは反対に、透明で距離感がある。遠い、はてしない世界へと吸い込まれてゆく。世界と自分の間に何もなく、自己というのがひきこもって世界に対峙する。よどんで、沈んで、静止している。そして、外の世界に、自分の心の中が投影される。そうやって自分の心の中を見ている。


 戻る。              続く。



index < 日誌 < 2018 <