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たしかに冬の寒さも、外に対する抵抗を断念させるものがあるが、内的、つまり精神的には、むしろ、とぎすまされる。これがむし暑い夏と根本的に異なるところである。夏は、むしろ外向的で、行動的・感情的・顕在的である。そうやって全力で外に出てきて、そして中には何も残らない。静かに自己をかえりみる余裕などないのである。 でもそれは、目に見える表面の世界である。たしかにそうである。それは外の世界なのであって、見える現実の世界に過ぎないのである。では、自分自身の心の中はどうかというと、必ずしもそうではないのである。潜在的である。 沈んで潜り込んでいて、そして内向的である。感情というのがなかなか表面に出てこない。そしてこの潜在的というのが冬であり、また、寒色系の「みずいろ」の世界なのである。 ひきこもっていて、どこか覚めていて、そして他人を寄せ付けない、そうした自分自身の内面にある隠れた陰の色である。自分自身の精神の中にしかない色。果てしなく自由で、そして純粋で、透明な色である。 |