index < 日誌 < 2018 < 10-「宿命」


 
7、暗示。



ものの姿、形が変わって見えてくるのではない。見えるカタチはそのままなのであるが、それがなにかの偶然の重なりで、なにかとんでもないものを象徴し暗示しているように、思えてくるのである。

あるいはそれへと導き、いざない誘っているように思えてくるのである。まるでそれしかないように。自分をとらえて離さない何かへと導く予感や印象、指標のように見えてくるのである。

何かしらの目印や符号、あるいはそれへと強制する無言のサインのように自分の中で働きかけてくるのである。本来、偶然のはずみの、どうでもよいかさなりに過ぎなかったものが、運命的な必然のように思えてくるのである。

それは、いいかえれば、自分自身の情緒の世界、心のありさまを見ているといえる。そして、それが何かと問われても、本人自身にもわかるはずもない、そうした何かを追い求め続けているのである。まるでそれしかないように。それは人間にとってみれば、まことに致し方なく、どうにもならないことなのである。


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