index < 日誌 < u. 日本。< 「赤と白」 |
それは無意識の底にあって、人々を左右し支配し続ける情緒といったもので、それを規制し秩序付ける警告信号、越えてはならない境界線、目に見えない仕切り壁を意味している。それは、集団としての共同体のケジメとかオキテ、戒律といったものなのである。それが目に見えるものとして表現されたのが、「赤と白」の色の組み合わせなのである。 それは「赤」の、残酷なまでに徹底した意志の硬直性であり、いさぎよさであり、有無を言わせぬ絶対的なオキテである。そしてまた「白」の、あまねく精神の普遍性、協調性、親和性を表現している。 「白色」は、いつでも、どこでも、どんな色にも溶け込む。同化してゆく、そんな個性のない色である。だれに対してもわけへだてなく、すべてを照らし包み込む。そこでは、他のすべての色が、もっとも鮮やかに自らの個性を映し出しながら、白い背景の中に溶けて一体化してゆく。 |