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そしてまた、だからこそこれが日本人なのであって、日本人だと言えるのであって、そしてまた、信仰や考え方の違いがあってもそれを許容し得るのである。 日本には外国から様々な宗教が入ってきているが、そうした宗教のすべてが日本に入ってくると、日本の情緒や空気や雰囲気のなかで、日本的なものとして一体化されてしまうのである。また同時にそうでないものについては、けっして日本の中に入って来ることも、受け入れられることもないのである。 すべては「同じ日本人である。」ということ、あるいは「同じ人間である。」という、日本独自の根本的で本質的な信仰に基づいているのである。そしてまた、それが求められる世界なのである。そうした無意識の情緒の世界が有史以来ずっと日本を支配し、そして方向付けている。 こうしたことは外国から見ると確かに変わってもいるし、大いに特殊日本的といえる現象ではあるが、これを日本という囲いの中から見ると、確かに十分かつ大いに理解もできるし、うなづけるものでもある。有史以来、日本列島には日本人しかいなかったのだから。海が外の世界を拒み続けてきたのである。そしてまた、このことが大陸における歴史と根本的に違う、日本の歴史であり現実なのである。 |
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