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空間に限りがあって逃げ続けることが出来ず、必ず捕まるということは、戦争というのがいつも短期間に決着がつくというパターンを作り出している。限られた島のなかでは大勢というのが、言いかえると、人心というのがいつも早期に定まるという傾向を示している。ずるずるとひきずったり、執拗に繰り返されるということがないのである。つまり、「いさぎよい」、「節操がない」、すぐに「群れる・迎合する」といった気質の特徴がそれである。 こうしたことを歴史の上で見ると、「丁未の乱」587年、平家物語、源義経、そして幕末の徳川政権の残党に見ることが出来る。逃げ続けるとか抵抗し続けるといったことが、物理的に不可能な地理的空間の世界なのである。それは、敗者を一掃するとか排除するとかでなくて、「根絶やし」まで突き進まざるを得ない、またそうでないと納まらない世界なのである。 本州から九州にまで逃げのびた平家、あるいは東北の辺境をさまよい続けた源義経、また幕末の北海道で要塞を築いて立てこもった徳川の残党もそうである。また、飛鳥時代の蘇我氏と物部氏の争いもそうである。 |
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