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1 パターン。



それはちょうど目に見える身体のカタチにたとえることが出来る。それは、つまり肉体はあくまでも条件であり前提なのである。外見上の肉体といったものは主に遺伝によるものであって、自己の現実への適応によって表明されたものではないのである。

生活の営みとその繰り返される型式・パターンといったものが、時間的な、目に見えるカタチとなって現れている。言い換えると、「種」としての身体上の構造が同一であってもなくても、その営みの型式・パターンといったものが同一なのである。
(もちろん、このような時間的なリズムといったものは、その種としての身体構造の同一性が、その前提条件として想定されるのであるが)

そしてまたこの型式・パターンといったものが、時間的な現実のなかで自己の同一性となっているのである。物理的空間の現実だけが自己の同一性ではなくて、時間的・歴史的な継続性もまた自己の同一性をなしているのである。

そうした営みのくり返しといったものが、習慣や常識と化した無意識の馴れと共に、自己の無意識の情緒の世界をつくりだしている。またこうした無意識の世界が自意識の根源となっていると共に、自分を確かめる数少ない手段の一つともなっている。

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